月9万円のワンルームに事務所構えるとどれくらい掛かるの?

by ysawa

売上を3年連続20%成長させた18の秘訣が思わぬPVを叩き出したので、「やっぱり世の中の人はお金の話好きなんだな」ということを実感したわいさわです。

そんな僕ですが、事務所構えたときに、実は、お金が無くなって死にそうになりました。

経営用語でいうキャッシュフローですが、お金の入と出を水の流れに例えたものですね。お金が出が極端に大きくなるのでキャッシュフローが難しくなるというのがお引っ越し(事務所移転)であります。実際、僕の役員報酬は、なんどか遅配(遅れて支払い)され、家計へのダメージは小さくありませんでした。

そして、事務所移転にあたって、お金以外にも沢山のハードルが待ち受けているというのが、今回書いていきたいことでもあります。

昨日、こういうつぶやきをしたのですが、

とりあえず、3いいねもらったら書こうかなと思っていたのですが、5いいねもいただいてしまいましたので、書くことになりました。(´・ω・`)

最初は間借りしていました

会社構えたときは、とあるオフィスを間借りさせていただいておりました。適当な契約書と共に、毎月何万円か支払うことになりました。

電気代とか印刷代とかもろもろ込みで6万円くらいだったと思います。あとは、話し合いながら決めていくみたいな、ゆるーいものにしておいたのですが、なにも問題ありませんでした。

間借り先の会社の会議がなんとなく聞こえてきて、会社とはどういうものかを勉強できたり、役所への申請どうしているのか管理部のきれいなお姉さんに聞けたりとか、僕のようにほとんど企業に務めたことのない一匹狼な経営者にとっては、この間借りという制度はすごくよかったです。

一応、今回のメインテーマではないのですが、間借りするときの心配事として、

  • 間借りすることは迷惑にならないか?
  • 中の人に受け入れてもらえるか?
  • うるさいとか言われないか?

などがあるかと思います。

相手の会社の気持ちになってもらえればわかるのですが、間借りさせることは、間違いなく迷惑です。なので、うるさくしてしまったり、情報漏えいしてしまったり、相手にとってデメリットになるようなことは、契約後に十分に気をつけてください。(僕は間借り先でも間違いなくうるさかったですけど)

それよりも、契約することでこちらからのノウハウの提供なにか一緒に商品開発する可能性などの相手にとってのメリットをゴリ押しするのが一つの手であります。

やっぱり、自分の事務所がいい!

間借りの話を書きましたが、「やっぱり、自分の事務所がいい!」という人も多いと思いますので、そうするとどのくらいお金掛かるのかという話題に入っていきましょう。

そこで、僕が今、借りているSOHOのオフィスでどれくらい掛かっているかを一つの例としてイメージしていけたらなと思います。

一応、うちの事務所の広さは33㎡(平米)です。一般的に、10㎡/人あればよいと言われていますので、広さとしては十分です。家賃88,000円で、川崎のこの近辺では一般的な値段かと思います。

不動産屋はよく「へーべーたんか。へーべーたんか」って言いますので、平米単価という言葉にも慣れておくといいかもしれません。家賃を広さで割ったもので、88,000 / 33 = 2,666円が平米単価になります。不動産を選ぶときにこの平米単価を基準にすると安いか高いか一発でわかって便利です。

↑うちの事務所、ちょっとだけ公開します。反対側はもっと汚いので見せられません。

事務所構えるときの月額費用

今回、掛かる費用月額費用初期費用に分けて考えて考えていきたいと思います。

まず、月額費用から書いていくと

  • 家賃
  • 電気代
  • 水道代
  • ガス代(必要あれば)
  • 通信費(インターネット)
  • 固定電話(必要あれば)

くらいかと思います。

当たり前ですが、家賃は考慮に必要ですね。家賃は、『18の秘訣』で書いた内容にも繋がりますが、単純にバーンレートを上げてしまいます。広さを十分に確保したら、あとは、身の丈にあったものにするのがよいと思います。

そして、意外と知られていないのですが、住宅として住むのと違い、事務所として借りる場合は部屋は物扱いになります。つまり、消費税が掛かります

うちの家賃は、88,000円なので消費税を足し合わせて、95,040円が実際に払うお金となります。さらに、銀行の振込手数料が掛かりますので、気をつけたいところです。この先書いてある数字は、実際支払った税込みの価格となります。

電気代以下、そして合計金額

更に、電気代、水道代ときます。

これが、でんき家計簿というサービスで書き出した電気料金のグラフです。電気代は1人であれば、6,000円くらい見ておけばよいのではないでしょうか。あと、水道代は3,000円くらいみておけばよいです。

ネット台もマンションタイプ(SOHOの強み!)であれば、どこも4,000円いかないくらいかと思います。

打ちは固定電話入れていないので、1月に95,040 + 6,000 + 3,000 + 4,000 = 108,040円。1年で、 12 × 108,040 = 1,296,480円が掛かる計算になります。

会社経営していると11万円くらいは毎月楽勝で稼がないと死んでしまうのは前から同じなので、こんなもんかなという気がします。

初期費用概要

そして、意外と目をつぶってしまいがちな初期費用ですね。こちらも見ていきましょう。

初期費用は、月額費用と違って変動がないので、詳しい数字が出せると思います。

初期費用ですが、

  • 本店移転費用(司法書士へ)
  • 敷金礼金(大家側の不動産会社へ)
  • 家賃保証(大家側の不動産会社へ、毎年更新)
  • 保証会社(大家側の不動産会社へ、保証人つけてもなお入らされる)
  • 不動産紹介料(うちの不動産仲介会社へ)
  • 火災保険(2年で更新?)
  • 引越会社(必要なだけ)
  • オフィス家具(必要なだけ)
  • 家電(必要なだけ)

となります。意味の分からない項目が多いですね。

初期費用の細かい説明

まず、本店(本社のこと)移転費用ですが、これは、司法書士に支払われる報酬を含めて102,996円となりました。東京都港区から川崎市高津区に移るというので高く費用が掛かるということでした。自分でやっている時間が無いのでこの値段ですが、自分でやれば印紙代の6万円で済むと思います。

そして、敷金礼金みたいなやつが、法人の場合は、6ヶ月分から12ヶ月分と言われています。お世話になっている不動産会社に頑張ってもらって2ヶ月分まで下げられました(住宅としての賃貸と変わらないですね)。1ヶ月分の家賃と家賃保証、保証会社とかを合わせて、大家側の不動産会社に支払うお金は366,374円となりました!

物件を調べてくれた上に、契約書までわりと隅々と一緒に見ていただいた不動産仲介会社には紹介料を気持ちよく支払い、76,032円となりました。ネットに載っていない不動産情報は、結構多いので不動産屋に素直に聞いたほうがよいかと思っています。

さらに、火災保険ですね。これは、絶対に入らないといかんやつですね。15,950円なり。

引越会社とオフィス家具などですが、みんな必要なもの違うはずなので、一旦、精算しようと思います。

102,996 + 366,374 + 76,032 + 15,950 = 561,352円が、本店という情報を書き換えただけで掛かる費用になります。

書いていて結構嫌になりました。自分で調べて交渉まですれば、もう少し安くなるのかもしれませんが、その時間も虚しいのでさっさとプロに頼んでしまったほうが良いというのが僕の方針でした。信頼のおける不動産仲介会社を探して、予算を伝えた上でもろもろ交渉や手続きを進めてもらうのがよいと思います。タイム・イズ・マネーであります。

引越会社とオフィス家具などは?

そして、引越代金は、うちの場合はそもそも運ぶものが少なかったので、32,400円で済みました。でも、普通、オフィスの移転は、これだけじゃすまないと思います。

これだけだと、ダンボールの上にiMacを置いて仕事をすることになるので、一応、オフィス家具はこだわって、537,516円掛かりました。

岡村製作所のもので一式揃えたのですが、オフィスチェアで有名なシルフィーは、Amazonにもありますが、合わせて10万円以上の高い買い物をAmazonで買うのは止めたほうがよいと思います。代理店に電話して買うとかなりこちらの要望聞いてくれますよ。あまり細かいことは言えないんですが、納期とか、値段とか、値段とか、値段とかです。

家電は、もう意味わからないくらい買ったので、ちょっと書くのはお許しください。ただ、冷蔵庫とかコーヒーメーカーとか、掃除機とか意外と新たに必要になるものがあるかもしれません。

初期費用が無理ゲー?

ここまで、見てきておわかりいただけたように、オフィス家具を買ったり、なにかこだわりを出してしまうと簡単に100万円は初期費用として掛かってしまうのが事務所移転です。

記事にできたので、引越のときに消えたお金をやっと供養することができましたが、夢を追うだけではなく、ロジカルに元が取れるプランがあるとなお良かったかもしれません。

そもそも不動産を探すのが無理ゲー

日本の不動産は、御存知の通りとても古い業界です。未だにFAXを使って通信をしていたり、何するにしても実印や認印を求められるので、若い世代にはコミュニケーションが取りづらいところが多いと思います。

そして、起業したての戦士にとっても、不動産というのは厄介な存在となります。たまに「この物件安くていい!」と思っても、よく見てみてください。「SOHO可」と書いていなければ、基本だめな物件だと思ってください。もし、表示がなければ、自分で交渉するか不動産仲介会社に交渉してもらわないとそこには事務所を構えることができません。

都心ならまだしも、郊外や田舎に出てしまうと、大家さんもご老人が多く、「なんですか?企業はだめですよ!!」みたいな感じでほとんど突っぱねられます。

保証人つけたのにも関わらず、保証会社の契約をさせられたり、何ヶ月分物敷金礼金払ったのにも関わらず、家賃保証の会社の契約に入らされたりというのも、不動産業界の闇を感じさせられるものがあります。

あと、川崎でも意外とそうなのですが、ネットが物理的に入れられない物件も多いので選ぶときによく注意しなければいけないです。ネットがないと干からびる人多いと思うので!

銀行口座作るのが無理ゲー

現在は「オレオレ詐欺」が非常に横行した社会です。架空の銀行口座を作られることを銀行は恐れているらしく、ネットバンクは特にそうなのですが、新規に口座を作るのが難しいです。

銀行口座を新規に開設または、住所変更するときに、電気料金の領収書などの光熱費などを払った証拠を求められることがほとんどです。登記したて、引越したてでそんなものある訳がないじゃないですか。銀行の求めるものの理不尽さには呆れるものがありますね。

貸事務所やコワーキングスペースなどで、起業した人が苦労されているところなので、注意してもどうしようもないのですが、そういうことがあるということだけは、覚えておくとよいのではないでしょうか。

まとめ

オフィス移転は結構お金が掛かります。なので、事前にきちーっと計算した上で、挑戦していかないといけません。

事務所探す際、契約中、そして、契約後も、困難がたくさん待ち受けているかと思います。それでも、やっぱり自分の事務所持つことは素晴らしいことだと思います。Amazonで変なもの買っても誰からも変な視線を感じずにいられますし、子育て中のご家庭だとすると、合法的に家族から離れて仕事に専念する空間を作ることができます。

そして、何より夢があります。子供のころに周りのものを寄せ集めて作った秘密基地のようなものです。僕は、この事務所でこれからもがんばっていきたいと思います。

以上であります。ここまで読んでいただいてありがとうございました。

この記事を読んだあとに

ysawa

エヌ次元株式会社代表取締役
東京工業大学工学部計算工学専攻卒業
符号理論の応用に関する研究
在学中よりフリーランスエンジニアとして活動
「持続可能な設計」を得意領域とする
会社設立後も設計からアプリ制作や
Webサイトのコーディングまでを幅広く担当
セキュリティスペシャリスト

 このブログについて

このブログは、プログラマやエンジニアのためになる情報を垂れ流しています。
ちょっと異端的なものも含まれているかもしれません。